第89章 家族みんながあなたをとても好きだ

夜も更け、南坂海乃はこのところ集まった資料を整理していた。隣では上山が、神経再生のデータを手伝って仕分けている。

「院長! 江南医薬から届いたデータ、うちの実験プロジェクトにめちゃくちゃ効きます! ずっと詰まってたポイント、ようやく抜けました!」

上山は興奮したまま実験シートを握りしめ、南坂海乃の前へ駆け寄ってくる。早口でまくし立てるように続けた。

「ほら、ここ見てください! 臨床さえ通れば、これ……賞、狙えますよ!」

連日の疲労が、少しだけほどける。胸の奥から素直に嬉しさが湧き上がった。

「……よかった。本当に」

上山は言いづらそうに口を開きかけ、しかし飲み込むようにしてから尋...

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